家具関係者ら ものづくり現場見学 「職人芸に刺激」 静岡の応援有志組織 産業創出狙いツアー

 静岡のものづくりを応援する有志組織「共生実行委員会」(石川智規委員長)は8日、県中部地域の木工工房などを巡る見学ツアーを実施した。県内外から住宅や家具関連の関係者ら約40人が参加し、かつて家具の一大産地として全国に名をはせた県中部の伝統を継承し、新たな感性で製作に挑む職人の技術やこだわりに魅了された。

角材削りに挑戦した参加者=静岡市清水区の「挽物所639」
角材削りに挑戦した参加者=静岡市清水区の「挽物所639」


 ツアーは、ものづくり現場の見学を新たな産業創出や関係構築につなげようと6年前から続けている。今回は2日間の行程を組み、初日の8日は、静岡市内と志太・榛原地区の2コースに分かれ、それぞれ三つの工房を見て回った。
 同市清水区の「挽物所639」では百瀬聡文代表取締役(40)が木工用ろくろを使い、木の皿などの製作を実演した。木材を均一で滑らかな曲線に削る職人芸が披露されると、参加者から感嘆の声が漏れた。希望者は角材を工具で削るワークショップにも参加した。同市内から参加し、自身も家具製造に携わる近松春華さん(25)は「作業風景を実際に見て、職人の熱意に刺激を受けた」と話した。
 ツアー2日目の9日は、同市駿河区の工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」などの見学を予定している。
 (社会部・薬袋貴信)

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