でこぼこ和紙で卒業証書 富士宮・白糸小児童 手すきに挑戦

 富士宮市の白糸小6年生11人は11日、卒業証書に使う和紙を手作りした。自ら手がけた唯一無二の卒業証書を受け取る日を楽しみに、慎重に作業を進めた。

和紙の手すきに挑戦する児童=富士宮市の内藤恒雄手漉き和紙記念館
和紙の手すきに挑戦する児童=富士宮市の内藤恒雄手漉き和紙記念館

 児童は同市上柚野の内藤恒雄手漉(す)き和紙記念館で伝統技法に挑戦した。原料のミツマタを富士山伏流水で溶いた液体を、すき槽から簀桁(すげた)で丁寧にすくった。駿河半紙技術研究会長の内藤恒雄さん(75)から手ほどきを受け、全体が均一になるように簀桁を前後左右に振った。
 すいた和紙は乾燥させた後に名前を印刷し、3月19日の卒業式で児童が手にする。赤池萌愛さん(12)は「少しでこぼこが残ったけれど、世界に1枚しかない証書が楽しみ」と話した。
 白糸地区はミツマタの計画栽培が国内で初めて行われたとされる。同校は地域の歴史を学ぶ一環として卒業証書作りを始めて19年目を迎えた。
 (富士宮支局・国本啓志郎)

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