全国よ気を付けろ 藤枝明誠の「REDZONE」赤間賢人 高校バスケで静岡県勢男子初の日本一へ 23日選手権初戦

photo03 世代屈指のスコアラーに成長した赤間賢人。高校最後の冬に県勢男子初の日本一を狙う=昨年12月、東京体育館(写真部・小糸恵介) PG挑戦で進化 世代屈指のスコアラーに  ふわりとした弧を描き、ボールが次々にリングに吸い込まれる。バスケットボール男子の赤間賢人(18)=藤枝明誠高=がシュートを放つ時、コートには時間が止まったような異質な雰囲気が漂う。「シュートが好き。小さい頃からずっとジャンプショットを打ってきた」。世代屈指のスコアラーが23日に初戦を迎える全国高校選手権で見据えるのは、県勢男子初の全国制覇だけだ。
 福岡県で育った中学時代はほぼ無名。だが、金本鷹監督は人づてに入手した試合映像で目を見張った。中学生なのにシュートが落ちない-。特に柔らかいタッチに「教えられてできるものではない」とほれ込んだ。
 高校では1年から主力となり、全国3位になった2年夏にはエースに。すでに得点力は際立っていたが、さらに二つの壁に挑んで成長した。 photo03 赤間賢人乗り越えた 二つの壁  一つ目にぶつかったのは2年秋のU-18(18歳以下)東海ブロックリーグの時。赤間は久々に先発を外れた。当時は「苦手な守備やチームの決まり事に気を取られ、リングに向かっていなかった」。指揮官の「パサーとして使っているのではない」というメッセージでエースの使命を胸に刻んだ。冬の全国高校選手権。4試合で平均26・5得点をたたき出し、2季連続3位の原動力になった。
 二つ目は今秋のポイントガード(PG)挑戦だ。今度は試合を組み立てて周囲を生かした上で、自分のリズムで攻められなくても決めることが求められた。それまでも徹底マークされた時にパスを出して味方を生かすことはあったが「PGとして試合を作るのは別物だった」という。
 実際に全国の強豪が集うU-18トップリーグでは戸惑いが大きく、納得の結果は出なかった。ただ、プレーの幅は格段に広がった。本来のフォワードに戻った今も、守備の圧力、味方の速攻に合わせながらの3点シュートは「PGの視点が生きている」と実感する。
 シュート力にスピードとハンドリング技術を兼ね備え、身長も比較的高い187センチ。金本監督が「生粋の点取り屋が、PGもできれば可能性が増す。『赤間賢人』というポジションになってほしい」と将来を嘱望するエースは高校最後の冬へ闘志を燃やす。「絶対に日本一を取る」

 あかま・けんと 2005年6月19日、福岡県宮若市出身。小学1年でバスケットボールを始め、藤枝明誠高では2年夏に全国総体ベスト4。冬の全国高校選手権も4試合で計106点を挙げ3位に貢献した。3年からゲーム主将を務め、全国総体8強。卒業後は東海大に進学する。187センチ。18歳。
 (運動部・山本一真)

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