知事「国の専門家会議、問題を明確化」 環境報告書は「課題残る」 定例会見で見解【大井川とリニア】

 川勝平太知事は13日の定例記者会見で、国土交通省専門家会議が7日公表したリニア中央新幹線トンネル工事に伴う南アルプスの環境保全に関する報告書について、県が示した課題が十分に議論されていないとする一方で、「JR東海との対話再開の出発点となる素地ができた。問題点を明確にしたのが会議の最大の成果」と見解を述べた。
 沢の水生生物に対する追加調査や工事前の影響予測などの課題が残っていると改めて主張しつつ、「環境保全上の懸念が科学的にも客観性があると認められた。不十分な点は県有識者会議の専門部会でJRと詰めていく」と述べた。JRに対しては「課題を一つ一つつぶしていくのが義務」とくぎを刺した。
 国専門家会議の中村太士座長(北海道大教授)が、会議期間中に県有識者会議専門部会から寄せられた意見は課題の指摘の範囲にとどまり、建設的な関係にならなかったと不満を示した発言にも言及した。川勝知事は、国の会議が設置された目的を「県とJRとの対話進展のため」などと説明した上で、「国の会議設置の目的、県有識者会議との関係を理解されていなかった発言と受け止めている」と反論した。
 (政治部・大沼雄大)

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