記者コラム「清流」 「第三者の目」の重要性

 教室にスマートフォンを設置し、水泳の授業を終えて着替える女子児童を盗撮したとして先月、小学校の男性教諭(25)が免職の懲戒処分を受けた。女子児童がスマホを発見し、動画を確認してデータ消去させた。
 元教諭は学校の聴取に「故意ではなく録画が作動した」と涙ながらに主張。学校と地元教育委員会は説明を信じ、保護者から「盗撮について警察に相談している」と連絡が入るまで、県教委と警察に報告を上げていなかったという。元教諭は一転、警察の聴取で盗撮を認めた。
 「同僚を信じたい」という教員側の気持ちもあっただろう。だが、もし保護者が警察に直接相談していなければ、今も元教諭は教壇に立っていたかもしれない。今回の事案は、教育現場で「第三者の目」がいかに重要かを明示している。
(政治部・大沼雄大)

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