出産の不安、和らげて 陣痛室などアートで演出 磐田市立総合病院

 磐田市大久保の市立総合病院で20日、職員と静岡文化芸術大の学生らが共同制作したホスピタルアートが完成した。出産に臨む妊婦や家族の不安や緊張感を和らげようと、周産期センターの陣痛室や分娩(ぶんべん)室を落ち着いた雰囲気の空間に演出した。

陣痛室の壁に作品を飾りつける学生や職員=磐田市大久保の市立総合病院
陣痛室の壁に作品を飾りつける学生や職員=磐田市大久保の市立総合病院

 同病院の医師や看護師、事務職員ら約40人と、同大の学生グループ「ホスピタルアートプロジェクトしずおか」の14人のほか、浜松医科大の学生3人も携わった。直径40センチの円形キャンバスに粘り気のある絵の具を垂らし流線形のマーブル模様を作り出した「ポーリングアート」や、葉っぱなど植物をイメージした形に切った色とりどりのカッティングシートを、陣痛室の壁や分娩室の扉に飾りつけた。妊婦がリラックスできるよう、いずれも温かみのある色味にした。
 静岡文芸大デザイン学部3年の田中希実さん(21)は「妊婦さんを応援する家族や職員の気持ちがつながり、混ざり合うイメージにした。妊婦さんを勇気づけられる空間になれば」と説明した。自らも制作に参加した鈴木昌八病院事業管理者は「職員が良い刺激を受け、思いやりなど人間力を高める機会にもなった」と話した。

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