静岡人インタビュー「この人」 高校生主体で障害者について学ぶ講演会を主催した 長田桃佳さん(富士市)

 イベントなどを主体的に企画運営する高校生を補助する県教育委員会の「ドリームプロジェクト」事業を活用して、脳性まひの畠山亮夏さん(24)と母織恵さん(44)を大阪市から招いて講演会を開催した。富士宮東高福祉科2年生。17歳。

長田桃佳さん
長田桃佳さん

 -主催に至った経緯は。
 「1年生の12月、畠山さん親子の出前授業を受けた。亮夏さんは生活全般に介助が必要でも、講演活動や動画配信などいろんなことに挑戦している。障害を理由に諦めない心の強さが勉強になった。授業はクラス27人しか受けていなくて、他の学年にも聞いてほしかった。先生からドリームプロジェクトを知り、やりたいと即答した」
 -初めての企画運営で苦労もあったのでは。
 「1人で始めたので不安しかなかった。休み時間と放課後を資料作りに充てて説明会を開いた。真剣に聞いてくれる生徒がいてほっとした。活動の輪が富岳館高にまでも広がり、チラシ作成や掲示を手分けしてできたおかげで、当日は200人の聴衆が集まった。仲間の協力に感謝の気持ちでいっぱい」
 -畠山さん親子から学んだことは。
 「障害者とその家族に対して、不幸という印象があり、授業で違うと教わってもふに落ちないところがあった。でも、お互いにかっこよく生きようとサポートする織恵さんと、その思いに応えようとする亮夏さんは印象と正反対だった。2人の生き方は、どんな環境の人でも参考になる。尊敬できる存在」
 -目指す将来像は。
 「看護や保育で悩んでいるが、人と接する仕事に就きたい。畠山さん親子のように、人を前向きにさせるような人になりたい」
 (富士宮支局・国本啓志郎)

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