浜松のPFAS「基地が原因、否定できず」 市長、調査結果受け会見

 浜松市の航空自衛隊浜松基地周辺の水路や井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS)が国の暫定指針値を超えて検出された問題で、中野祐介市長は26日の定例記者会見で、同基地がPFASの一種、PFOSを含む泡消火剤を2010年4月以降使っていないとする調査結果を示したことに対し、「基地が原因ではない、ということにはならないと思う。調査を続けて対策を講じたい」と述べた。
 同基地は22日に泡消火剤の使用歴に関する調査結果を市に伝えた。10年4月以降は訓練でも点検でもPFOS含有薬剤は不使用で、20年12月以降の訓練は泡消火剤自体使っていないとした。ただ、10年以前のPFOS使用の有無は記録がなく不明だとしている。
 中野市長は「丹念に調べてもらった」と基地の対応を評価した一方、過去の記録がない点や、21年に防衛省が基地内の消火設備専用水槽で高濃度のPFOSを検出したと発表している点を挙げ、「どこかの時点でPFOSが使われていたと推察され、発生源として捨てきれない。その前提で対策を考える」と強調した。
 市は基地に対し、泡消火剤使用歴の調査に加えて発生源に関する敷地内の調査を求めていて、調整が続いている。基地のほかに考えられる発生源がないか、周辺の工場や事業所への調査も予定している。

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