厳かに「田遊び」奉納 地域の安寧祈る 森・小国神社

 森町一宮の小国神社で3日、五穀豊穣(ほうじょう)と地域の安寧を祈る静岡県指定無形民俗文化財の神事芸能「田遊び祭」が奉納された。同神社に仕えた旧社家13人が演者を務め、境内の舞殿で、田づくりから刈り入れまでを表現した12段にわたる演目を披露した。

多くの参拝者が見守る中、演目の一つ「種蒔き」を披露する演者ら=森町一宮の小国神社
多くの参拝者が見守る中、演目の一つ「種蒔き」を披露する演者ら=森町一宮の小国神社

 同神社の田遊び祭は鎌倉時代中期が始まりと伝わる。田に見立てた太鼓を中心に、三角状の御幣を持ち詞章に合わせた素朴な見立て芸が特徴という。国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」にも指定されている。
 初詣客らが見守る中、黒の烏帽子(えぼし)と白装束に身を包んだ演者が登場。田を耕したり、あぜ作りをしたりする様子を表した「素鍬(しろくわ)」や「畦(あぜ)塗り」のほか、種もみを入れたおけを手に登場する「種蒔(ま)き」など、伝統の演目を披露。最後は本殿に向かって感謝を唱える「歌おろし」で締めくくった。
 田遊び祭の後には、餅投げも行われた。
 (袋井支局・北井寛人)

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