記者コラム「清流」 PFASと「人新世」

 静岡市清水区三保地区の化学工場周辺の井戸から高濃度のPFASが検出されている問題。市の調査では、同区の他地区でも指針値を超える濃度で検出され、新局面を迎えた。煙突からも大気を通じて拡散、土壌に残留しているとみられる。
 「人新世(ひとしんせい)」という言葉がある。地層に人間の影響が記された地質年代で、コンクリートや放射能、化学物質が増えた産業革命以降くらいの時代を指す。PFASの問題もこの文脈で語られることが増えているようだ。
 海洋プラスチック問題も二酸化炭素(CO2)による地球温暖化も「便利さ」と常に表裏一体の関係にある。排出している企業はもちろんだが、現代人のわれわれ一人一人が真正面から向き合うことが、子供たちが生きる後の世の検証に耐えると感じている。
(清水支局・坂本昌信)

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