旧大井川町町歌 作曲の青野さん(焼津)死去 「再び街に響いて」 夫の克巳さん願う

 旧大井川町民に親しまれた町歌を作曲した焼津市高新田の元小学校教員青野春枝さんが12月12日、91歳で亡くなった。病気療養中の1974年に夫克巳さん(93)の勧めで町歌の作曲募集に応募。親しみやすく歌いやすいメロディーで、採用後は町内の多くの場面で歌われた。2008年の市町合併を機に、曲が流れる機会はほぼなくなったが、克巳さんは「妻の作品を知ってほしい」との願いを込める。

青野さん直筆の大井川町歌の楽譜とレコード
青野さん直筆の大井川町歌の楽譜とレコード
青野春枝さん
青野春枝さん
青野さん直筆の大井川町歌の楽譜とレコード
青野春枝さん


 春枝さんは教員時代、音楽指導に携わっていた。町歌を手始めに、企業や団体の歌や地区の音頭など、自宅にあったピアノを弾きながら作曲に打ち込んだ。療養後は自宅近くにピアノ教室を開設し、数多くの教え子を育てた。
 春枝さんが亡くなった後に克巳さんが自宅を整理すると、春枝さんの作曲した楽曲の楽譜や当時制作された町歌のレコードといった資料が出てきた。訃報を聞き、克巳さんのもとに町歌を懐かしむ声も多く寄せられたという。
 久しぶりに町歌を聴き直した克巳さんは「改めて良いメロディーと思った。できればもう一度、町民に歌ってほしい」と語った。
 (焼津支局・福田雄一)

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