【特別インタビュー】熱海富士×翠富士 お互いの仲は、印象は…? 兄弟弟子に聞いてみました
飛龍高出身の先輩後輩で、伊勢ケ浜部屋でも兄弟弟子となる熱海富士(21)=熱海市出身=と翠富士(27)=焼津市出身=。互いの印象や、昨年の快進撃を笑顔で振り返りながら、2024年の土俵へ意気込みを語った。
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2024年のさらなる飛躍を誓う翠富士(右)と熱海富士
―仲はいいんですか。
翠富士「たまに話すくらいです(笑)」
熱海富士「自分は仲がいいと思っていたんですけど…先輩がそういうので悲しいですね(笑)」
―お互いの呼び名は。
翠富士「朔太郎かサクと呼んでいます」
熱海富士「自分は翠富士関と」
翠富士「ビジネスな感じだな」
熱海富士「最初に会ったのが、小6の時。たまに(飛龍高の)稽古に行かせてもらって、翠富士関はもう高3でした」
翠富士「自分はその時『はすはす』と呼んでました。話しかけても『はすっ!』としか言わないので。『頑張ってるか⁉』と言っても『はすっ!』って。今でもたまに言っている」
熱海富士「言われて気付きました」
―お互いの印象は。
大相撲巡業「東広島場所」で公開稽古する翠富士(右)と熱海富士
翠富士「初めて会ったときには自分よりでかかったですね。『こいつやるなぁ』と思いました」
熱海富士「稽古に行かせてもらっている時から年上のお兄さん、先輩でした。今、同じ部屋で、2人でできているのはすごいことです。いつも自分より前を行っていて、良くしてもらっています」
翠富士「後輩なので抜かれたくない気持ちはあります。来場所は抜かれてしまうんですけど、その気持ちがあるので頑張れています。(後輩の)活躍は燃えるものがありますね」
熱海富士「自分は目の前のことを頑張るだけです」
翠富士「見てねえよと(笑)」
熱海富士「そんなことないです(笑)」
―翠富士関は昨年、10連勝がありました。どんな心境でしたか。
大相撲巡業「東広島場所」で取組に臨む翠富士
翠富士「優勝したいなくらいです。勝ってるなあと。取り組みに向かう時も、夕ごはん何かなくらいの気持ちで、自分としてはプレッシャーは感じてなかったけど、周りからは『体硬いよ~』と言われました。もっと勝ちたかったですけど最後は5連敗。負ける時は負けるので仕方ないですが、勝ち越した気持ちはしなかったですね」
―熱海富士は今だから明かせる話はありますか。
大相撲巡業「東広島場所」で取組に臨む熱海富士
熱海富士「土俵に入る時のルーティンとして、験担ぎでずっと使っていたステテコのような下着があるんですが、9月場所前の巡業で破ってしまって。『どうしよう。ヤバイ…』と思いながら交換したんですが、そうしたら9月場所で優勝争いまでいきました」
翠富士「それまでのものが縁起悪かったな(笑)」
―九州場所でも優勝争いしました。
熱海富士「静岡や全国の皆さんが応援してくれてうれしいです。9月は気付いたら千秋楽という感じでしたが、九州のほうが1番1番取っている感じがありました。やはり土俵に上がったら勝ちたいですし、優勝したいと思います」
―土俵に上がる時の心構えを教えてください。
翠富士(右)が書いた漢字の間違えに気付き大笑いする熱海富士
翠富士「『無心』です。何も考えないようにしています」
熱海富士「自分は『いつも通りにしかできない』です。火事場のばか力とかはあるけど、稽古場でやっていることしかできない、いつも通りのことをやるしかないと思っています」
―2024年の目標を。
翠富士「とりあえず三役になるのが目標です」
熱海富士「自分の相撲を磨き、番付をもっと上げていきたいです」
(写真は2023年12月中旬、広島県東広島市で写真部・小糸恵介が撮影)