移動薬局車が石川へ 静岡県薬剤師会 医薬品不足受け避難所で調剤

 能登半島地震による医薬品の供給不足を受け、静岡県薬剤師会は13日、薬局機能を搭載した災害対策医薬品供給車(モバイルファーマシー)と同会所属の薬剤師3人を石川県内に派遣した。2017年に配備された本県の同車両が災害対応で稼働するのは初めて。避難所で医薬品調剤や環境衛生業務などを展開し、被災者を支援していく。

石川県に向かう災害対策医薬品供給車=13日午前、静岡市駿河区
石川県に向かう災害対策医薬品供給車=13日午前、静岡市駿河区

 キャンピングカーを基にした同車内には無菌調剤に必要なクリーンベンチや薬品棚、粉薬の分包機などの設備が整っている。自家発電装置も搭載し、ライフラインの途絶えた地域など場所を移動しながら簡易的な薬局として役割を果たす。能登半島への派遣は岐阜、三重、宮城、和歌山の各県に次いで5番目。東日本大震災の教訓から宮城県薬剤師会が開発し、全国で約20台が配備されているという。
 県薬剤師会のチームは2陣以降も派遣を予定している。同会の秋山欣三副会長(65)は「被災者への支援とともに、現地で働く薬剤師のフォローにも尽力したい」と言葉に力を込めた。
 罹災(りさい)証明の発行に必要な家屋の被害認定調査支援のため、穴水町に入っている県や市町職員らの調査も13日から本格的に始まった。町内の対象家屋は約6千戸。栃木県や奈良県の職員とともに、降雪の状況を見ながら進める。

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