女性へのAED ためらわないで 三角巾 公共施設に配備 上半身隠しプライバシー保護 静岡市

 静岡市は傷病者が女性の場合でもためらわずにAED(自動体外式除細動器)を使ってもらおうと、市所管の公共施設に設置されているAED全567台に、対象者の上半身を隠すための三角巾の配備を進めている。AEDパッドは胸と腹あたりの素肌に直接貼り付ける必要があるため、三角巾をかぶせることでプライバシーを保護する狙い。

AEDに配備した三角巾の使用方法を例示する静岡市職員=市役所静岡庁舎
AEDに配備した三角巾の使用方法を例示する静岡市職員=市役所静岡庁舎


 2019年に他県でスポーツ大会に出場した女性が心肺停止状態になったが、プライバシーの保護を理由にAEDの使用が遅れ、後遺症が出たとの報道があった。
 市は服を着た状態でも下着をずらしてパッドを張る方法があることをチラシで紹介しつつ、服の形状や、水中への転落で服がぬれているケースなど状況によっては服を脱がせる必要があるため、三角巾の配備が有効と判断した。三角巾がパッドに触れていても、使用上の問題はないという。
 AEDが設置されている市所管施設は小中学校や体育館など465カ所。10日から順次配備を進め、3月末までに完了する予定。市保健衛生医療課の伊藤誠係長は「体を隠すものが用意されていることをあらかじめ知ってもらい、AEDの迅速な使用につなげたい」と話し、市ホームページなどで周知するとしている。
 (政治部・尾原崇也)

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