底冷えの体育館に宿泊、避難所生活体験 親子7組対応力学ぶ 静岡県立短大

 静岡県立大短期大学部の福祉防災ゼミは19日夜から20日朝にかけて、災害発生時の避難所生活を疑似体験できる宿泊会を静岡市駿河区の同大小鹿キャンパスの体育館で開いた。市内から親子7組が参加し、底冷えする冬の体育館での生活体験を通して避難時の対応力を学んだ。

段ボールベッドで就寝体験する参加者ら=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
段ボールベッドで就寝体験する参加者ら=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
牛乳パックのスプーンでカレーを食べる参加者=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
牛乳パックのスプーンでカレーを食べる参加者=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
カセットこんろで工夫を凝らした避難食を作る参加者ら=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
カセットこんろで工夫を凝らした避難食を作る参加者ら=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
段ボールベッドで就寝体験する参加者ら=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
牛乳パックのスプーンでカレーを食べる参加者=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス
カセットこんろで工夫を凝らした避難食を作る参加者ら=静岡市駿河区の県立大短期大学部小鹿キャンパス

 参加者はゼミ生6人のサポートを受けながら、ガスや電気が使えない状況を想定して夕食作りに挑んだ。カセットこんろで沸かした湯を使い、米をポリ袋に入れて炊き、レトルトカレーを温めた。牛乳パックを細く切ってスプーンの代わりにしたり、再利用できるよう紙皿にラップを巻き付けたりする工夫を凝らした。
 就寝用のベッドは複数の段ボール箱をつなぎ合わせて作った。高さが約35センチあるため床から伝わってくる冷気を緩和し、体への負担が少ないことを確認した。新聞紙は丸めて枕にしたり、折り込んでスリッパに加工したりすることで防寒材として活用した。
 参加した同区の天野育子さん(43)は「能登半島地震の被災者はもっと寒くつらい思いをしている」と被災地へ思いをはせ、「冬の時期に体験し、必要な用品などが改めて分かった」と実感を込めた。同ゼミの江原勝幸准教授は「疑似体験することで足りない面が見えてくる。自助の考え方を踏まえて対応力を高めてほしい」と話した。
(社会部・薬袋貴信)

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