能登地震被災地で活動 松山さん報告 「長期の支援必要」 

 静岡県ボランティア協会は20日、能登半島地震の被災地支援に入った災害対応NPO「MFP」の代表で、静岡市障害者協会職員の松山文紀さん(静岡市清水区)の活動報告会を葵区の県総合社会福祉会館で開いた。道路寸断や降雪などで支援活動が困難な状況を説明し、静岡県関係者に対し、数年単位の長期的な支援の必要性を訴えた。

能登半島地震被災地での活動を振り返る松山さん=静岡市葵区
能登半島地震被災地での活動を振り返る松山さん=静岡市葵区

 松山さんは、震災がつなぐ全国ネットワークの要請を受けて4日に静岡市を出発し、15日まで主に石川県珠洲市で活動した。「道路状況が悪く、ゆっくり走らないと簡単にタイヤがパンクしてしまう」と支援活動がままならない現地の状況を解説。発災から約3週間経過した今も、ライフラインの復旧はほど遠く「まだ緊急期だ」と指摘した。
 珠洲市では指定避難所だけでなく、ビニールハウスや福祉施設、集会所に自主的に集まって避難生活を送っている住民も多く、行政が実態を把握しきれていないという。松山さんは、電気の復旧で生活環境は若干改善されたものの、断水で手洗い用の水が不足しているため衛生面を懸念した。来場者に向けては「緊急期の後も、年単位の長期的な支援が必要なことが分かっている。雪が溶けた半年後も関心を高く持っていてほしい」と呼びかけた。
 県ボランティア協会には19日までに、能登半島地震で54口約75万円の支援金が集まったことも報告された。同協会の小野田全宏理事長らも必要な支援に向けた情報収集のため、22日から同県穴水町に入る予定。
 (社会部・吉田史弥)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞