大井川鉄道の全線復旧 支援する会などが情報交換会
川根本町の町民らでつくる「大井川鉄道全線復旧を支援する会」は24日、県や町、大井川鉄道、観光などの関係者が一堂に集う情報交換会を同町北部地域振興センターで開いた。参加者は大鉄の一部不通に伴う影響や関係機関の取り組みなどの情報を共有した。
国や県への早期復旧を求める署名提出の経緯や運行再開に要する費用の内訳、町議会の動き、観光への影響などを確認した。支援する会の担当者は、今後も県全体で署名活動を進めていく方針を示し、不通区間の駅の清掃活動を続けていることも報告した。
参加者からは「今ある資源で観光客を呼び込むべき」「官民一体の協力態勢が川根本町にない」などの意見が出た。県中部地域局の鈴木史朗局長は「単に災害復旧にとどまらず、ローカル鉄道が抱える構造的な問題に対応し、持続可能な経営が可能か考える必要がある」と指摘した。
大鉄は2022年秋の台風15号により、全線で土砂流入などの被害を受けた。同12月に金谷-家山、23年10月に家山-川根温泉笹間渡で運転が再開されたが、残る川根温泉笹間渡-千頭の再開時期は未定となっている。
(島田支局・寺田将人)