ミャンマーの実情知って 写真家川口さん 妙蔵寺(伊豆)に常設展示 国軍クーデターから3年 「平和願う拠点に」

 伊豆市八木沢の写真家川口敏彦さん(59)が、同市の妙蔵寺を拠点にミャンマーの実情を知ってもらおうと、同国で撮影した写真を活用した発信活動に取り組んでいる。ミャンマー国軍のクーデターから2月1日で3年。妙蔵寺の境内にあるパゴダ(ミャンマー様式の仏塔)を常設展示の場として生まれ変わらせ、国際平和を呼びかけている。

川口さんがミャンマーで撮影した写真などの展示=伊豆市八木沢の妙蔵寺境内にあるパゴダ
川口さんがミャンマーで撮影した写真などの展示=伊豆市八木沢の妙蔵寺境内にあるパゴダ
妙蔵寺の境内にあるミャンマー様式の仏塔パゴダ
妙蔵寺の境内にあるミャンマー様式の仏塔パゴダ
川口さんがミャンマーで撮影した写真などの展示=伊豆市八木沢の妙蔵寺境内にあるパゴダ
妙蔵寺の境内にあるミャンマー様式の仏塔パゴダ


 元全国紙カメラマンの川口さんは、アジア各地を中心に世界中を飛び回って写真に収めてきた。2016年に早期退職し、ミャンマーの民主化元年を目に焼き付けたいとの思いから同国に長期滞在した。1年半をかけてオートバイで全土を巡り、生活の風景などを撮影した。
 帰国後、同市で生活する中で、同寺の先々代住職に当たる故佐治堯英[ぎょうえい]さんが第2次世界大戦中に兵隊としてミャンマー(当時ビルマ)に赴き、終戦後に戦友らを弔い、世界平和を願ってパゴダを建てたことを知った。21年のクーデター発生後は写真家として何かできないかと考え、全国各地で20回以上にわたり写真展を開くなど精力的に活動してきた。
 川口さんは今回パゴダでの常設展示に向け、堯英さんの孫の妙心住職に申し出た。紙芝居を通じて国内外で平和や命の尊さを伝えている妙心住職は「祖父の活動を引き継ぎ、後世に伝えてほしい」と快諾した。
 パゴダ内には滞在中に撮影した人物や風景の写真約20点や、ミャンマーの歴史の紹介コーナーなどを準備した。自由に入場できる。川口さんは「国際交流できる場にしたい。平和を考える拠点になれば」と願う。
 今後、週末にはパゴダ前にミャンマー料理のキッチンカーを設置し、川口さんが腕を振るうほか、不定期で講演会なども開催する予定。
 (大仁支局・小西龍也)

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