清水発展の道のり 史料で 静岡市歴史博物館 企画展 三つの交易路軸に変貌紹介

 清水地域の発展の歴史を探る企画展「清水 交流の道」が3月10日まで、静岡市葵区の市歴史博物館で開かれている。東海道や水運、鉄道の三つの“道”が重なることで人や物が行き交い、発展を続けてきた清水の歴史を数々の史料で紹介している。

発展を重ねてきた清水の歴史を解説する学芸員の青木さん=静岡市葵区の市歴史博物館
発展を重ねてきた清水の歴史を解説する学芸員の青木さん=静岡市葵区の市歴史博物館


 清水の町は東海道の宿場町の一つ「江尻宿」(JR東海道線清水駅周辺)と、水運の一大拠点として物が集まる川湊の「清水湊」(清水港の西側周辺)の二つの町に分かれて発展してきた。別の町として描かれた江戸の絵図や江尻宿に掲げられていた船に関する法令を示す高札などの実物も展示した。
 幕末の安政地震に伴う地形変動がきっかけで水運拠点を海に移転し、川湊から海の港になり、明治期を経て国際貿易港として世界に開かれた港町に変化した。1889(明治22)年に東海道線が静岡駅まで開通し、清水港への物資輸送を目的とした静岡鉄道も敷かれ、鉄道や港の発展により江尻と清水はひとつにつながっていったという。
 学芸員の青木祐一さんは「清水は複数の交易路が交わることで独自の発展を遂げてきた町。歴史を見ることは次の発展へのヒントになるのでは」と語った。
 (社会部・吉田史弥)

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