教職員懲戒処分相次ぎ 静岡県教委が臨時校長会 初動対応マニュアル、年内共有へ

 静岡県教委は31日、1月に6件の教職員懲戒処分が生じたことから、臨時校長会をオンラインで開いた。池上重弘教育長は、職場関係者からわいせつ事案の報告を受けていながら対応を怠った校長も処分したことを挙げ「極めて重大な事態。児童生徒の人権を守る責任者としての自覚を持ってほしい」と訓示した。わいせつ事案があった際の初動対応マニュアルを作成中で、年内に学校現場と共有する方針を明らかにした。

オンラインの臨時校長会で「責任者の自覚を」と訴える池上重弘教育長=31日午前、県庁
オンラインの臨時校長会で「責任者の自覚を」と訴える池上重弘教育長=31日午前、県庁

 女子生徒2人にわいせつ行為をした県立高の実習助手は29日、免職処分となった。わいせつ行為の報告を文書で受けた校長は当時、確証が持てないうわさと認識し、事実確認や県教委への報告をしていなかった。池上教育長は「校長の判断や対応は事実の隠蔽(いんぺい)と捉えられかねない過失で、管理監督者として著しく不適正だった」と指摘し、不祥事根絶を訴えた。
 臨時校長会には、公立高と特別支援学校の校長ら約110人が出席した。
 2023年11月の懲戒処分でも、女児を盗撮した小学校教諭の弁解を学校側が信じ、保護者から連絡があるまで県教委や警察に連絡していなかった。池上教育長は訓示後の取材に、学校側の判断ミスが続いたことを踏まえ、聞き取りや報告の流れをまとめた初動対応マニュアルを24年に作成し、学校現場と共有したいと説明した。
 県教委によると、23年度の県教委所管教職員の懲戒処分は24年1月時点で18件で、22年度の14件を上回った。18件のうちわいせつ行為、体罰、不適切な言動など児童生徒が対象の事案は9件に上る。

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