浜松・原田橋崩落事故9年 「2人のこと忘れない」 地元関係者が追悼

 浜松市天竜区佐久間町の原田橋が土砂崩れの影響で崩落し、橋の上にいた市天竜土木整備事務所の安野彰恭さん=当時(57)=と茶谷富士雄さん=同(45)=が亡くなった事故から31日で9年が経過した。事故現場に設けられた献花台に地元関係者が訪れ、犠牲者を追悼した。

献花台に訪れ、犠牲者の冥福を祈る地元関係者=31日午後0時半ごろ、浜松市天竜区佐久間町
献花台に訪れ、犠牲者の冥福を祈る地元関係者=31日午後0時半ごろ、浜松市天竜区佐久間町

 事故当時、同事務所長を務めていた山村宜之さん(63)=同市中央区=は安野さんが好きだったたばこを供え、「絶対の安全はない。山間地で工事をする上で、地質の知識が重要であることを浸透させないといけない」と強調した。同じく同事務所に所属していた市職員杉原努さん(46)=同市天竜区=は「2人のことを忘れないと伝えた。当時のことは無念に思う」と話した。
 事故では、土砂災害のリスクを踏まえた安全対策の徹底が課題として浮かび上がった。茶谷さんの親族の男性(68)=同市浜名区=は献花台に手を合わせ、茶谷さんの子どもたちの成長を報告。「事故の教訓を今後の事業に生かしてほしい。亡くなった2人の思いもつながるはずだ」と行政に求めた。

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