記者コラム「清流」 「凶」を前向きに
コロナ禍で帰省をためらっていた時期は遠い昔のことのよう。年末年始は実家でゆっくり過ごせた。元日は恒例の初詣へ。親戚9人で臨んだおみくじでは、なんと7人が「凶」だった。災害や事故で幕開けした今年を象徴するようで、楽観できない未来に気が重い。
だがこの「凶」。悪いことばかりではないらしい。おみくじを引いたその時が“どん底”であって、これから運勢が上昇するという考え方も。良いことが起こる兆候だと思えば決して嘆くことではないのだ。物事の捉え方の大切さを教わった思いだ。
「凶」を連発する観音様に、情けをかけてもらえますように。そう願いながら、おみくじを境内にしっかりと結び、名物の厄よけだんごを例年より多めに頬張ってみた。
(教育文化部・森田美咲)