教育文化部 森田美咲
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シンガー・ソングライター/優河 気負わず自然体で届ける【FUJI&SUN’24】
富士山の麓でキャンプしながら音楽を楽しむ野外フェスティバル「FUJI&SUN’24」が11、12の両日、富士市の富士山こどもの国で開かれる。初日に登場するシンガー・ソングライター優河が、ステージへの思いを語った。 初出演の昨年は、一日中降り続いていた雨が出番の直前にやんだ。「潤った夜の森の雰囲気がとても気持ち良かった。暗くて見えない森や山が、自分の歌声に振動しているようだった」と振り返る。 ベーシスト千葉広樹とのデュオ編成で、久しぶりだった弾き語りを通じて自身のもやもやや悩みがほぐれていく感触を得たという。「自分の歌が自然に歌えた。観客と同じ空気を共有しながら、自分にできるこ
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災害時の行政広報「紙媒体不可欠」 石川・穴水町派遣の島田市職員が初動調査 停電、スマホ基地局使えず
全国広報コンクールで内閣総理大臣賞などの受賞歴がある島田市の「広報しまだ」を手がける同市広報プロモーション課参事の鈴木克典さん(52)が2月末から3月初旬、能登半島地震の職員応援派遣で石川県穴水町に滞在し、災害広報の初動対応について同町広報担当職員に聞き取り調査を行った。被災地では停電したり、電波が不安定になったりしてスマートフォンが使えない状況があったといい、「災害広報は紙媒体が不可欠」と教訓を指摘。災害対策としても自治体の広報スキル向上の必要性を呼びかけている。 聞き取りは静岡県の対口支援先の穴水町に島田市が2月27日~3月2日に派遣したトイレトラック業務の合間に行い、後日電話やメール
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福祉施設利用者、等身大の姿 ドキュメンタリー映画「フジヤマコットントン」 青柳拓監督の思い
障害福祉サービス事業所の利用者の仕事ぶりや友情を描くドキュメンタリー映画「フジヤマコットントン」。制作のきっかけは2016年に相模原市の知的障害者施設で起こった殺傷事件だった。青柳拓監督は障害者への否定的な発言が飛び交う当時の言説を目のあたりにし、映画の制作を決めた。「人の価値は『ある』『なし』では表現できない」と訴える。 甲府盆地にある「みらいファーム」が舞台。綿花を栽培する人、それを織物に仕立てる人、細かな絵を描く人、2人ペアで花を育てる人―。利用者それぞれがゆったりとしたペースで過ごす1年を追う。 母親の勤務先だった障害者施設は、青柳監督にとってなじみの場所だった。それだけに相模
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米ドラマ「SHOGUN 将軍」出演 コズモ・ジャーヴィス 「按針」 史実尊重しながら
俳優真田広之が主演とプロデューサーを務め、ハリウッド映画の制作陣が戦国時代末期の日本を描く全10話の米ドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が27日、配信開始となる。徳川家康や石田三成など実在の人物から着想を得た作家ジェームズ・クラベルのベストセラー小説「将軍」が原作で、英国人航海士の役はウィリアム・アダムス(三浦按針)がモデル。物語の鍵を握る主要キャストを務めた俳優コズモ・ジャーヴィスは「アダムスはとても興味深い人物。史実を尊重しながら、脚本が求める人物像を組み合わせるのに苦心した」と撮影を振り返った。 作品は、覇権を狙う戦国武将たちの駆け引きや策略が渦巻く群像劇。1600年、「天下分け
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渡辺崋山や曽宮一念 選りすぐり、トコハの名品展開幕 常葉大瀬名キャンパス、3月17日まで
「トコハの名品ー常葉ギャラリー収蔵名品展ー」(常葉大、静岡新聞社・静岡放送主催)が17日、静岡市葵区の同大静岡瀬名キャンパス内の「常葉ギャラリー」で開幕した。江戸時代後期に活躍した渡辺崋山や富士宮市ゆかりの洋画家曽宮一念らの作品を中心に、前後期合わせて約60点を展示する。 菊川市の旧常葉美術館から同ギャラリーに移転したのを記念した展示会で、同館が50年近く収集してきた名品の一部を並べた。崋山を師事した福田半香による県指定文化財の水墨画「浅絳山水図(せんごうさんすいず)」は、点を打つように描く技法「米点」が特徴という。各作品には博物館学を学ぶ学生による説明や見どころの紹介コメントが添えられ、
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記者コラム「清流」 「凶」を前向きに
コロナ禍で帰省をためらっていた時期は遠い昔のことのよう。年末年始は実家でゆっくり過ごせた。元日は恒例の初詣へ。親戚9人で臨んだおみくじでは、なんと7人が「凶」だった。災害や事故で幕開けした今年を象徴するようで、楽観できない未来に気が重い。 だがこの「凶」。悪いことばかりではないらしい。おみくじを引いたその時が“どん底”であって、これから運勢が上昇するという考え方も。良いことが起こる兆候だと思えば決して嘆くことではないのだ。物事の捉え方の大切さを教わった思いだ。 「凶」を連発する観音様に、情けをかけてもらえますように。そう願いながら、おみくじを境内にしっかりと結び、
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Xマス飾り できた! 児童ら、ものづくり体験 静岡市駿河区
静岡市内外の個人事業者によるものづくり体験「工場マルシェ」が23日、同市駿河区のレンタルスペース「まるしずキッチン」で開かれた。ハンドメイド品の販売やワークショップなど多彩な催しに近隣住民や家族連れでにぎわった。 地元にUターンした若者らでつくる実行委員会(町塚洋介代表)が地域と事業者の交流の場を創出しようと始め、10回目。11店舗が参加し、革製ストラップなどの販売や、クリスマスツリー、正月飾りなど年末年始の行事に合わせた体験ブースを設けた。 ドライフラワー作家の戸田裕子さん(70)は季節の花を生かしたリースやイヤリングなどを出品した。オーナメント作りのワークショップでは兄と体験した長島
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新作映画「BAD LANDS」への思い熱く 沼津出身/原田真人監督、静岡県内ロケにも意欲【インタビュー】
特殊詐欺をなりわいにする異父姉弟が、悪のはびこる世界からどう逃げ出すかー。原田真人監督(沼津市出身)の最新作「BAD LANDS バッド・ランズ」は、大阪を舞台にした犯罪サスペンスだ。直木賞作家黒川博行の小説「勁草(けいそう)」を原作に、映画化まで6年をかけた原田監督の情熱や俳優、作品への思いを聞いた。 ー原作の刊行は2015年。映画公開までに時間がかかりました。 「ずっと撮ってみたかった『大阪弁フィルムノワール』として格好の題材でした。主人公2人の関係性と犯罪組織の人間たち。現代の日本社会の縮図のような人間関係をうまく描けたらいいなと思っていました。でも、その時は映画化権を逃してしまっ
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「だます側」に切り込み 沼津出身原田監督の最新作「BAD LANDS」
特殊詐欺をなりわいにする異父姉弟が、悪のはびこる世界をどう生き抜くか―。原田真人監督(沼津市出身)の最新作「BAD LANDS バッド・ランズ」は、大阪を舞台にした犯罪サスペンスだ。直木賞作家黒川博行の小説「勁草[けいそう]」が原作。映画化の権利を「辛抱強く6年待った」という原田監督は「犯罪を正当化するつもりはないが、どんどん暴力的な怖さが増している詐欺組織の仕組み、そしてその世界に身を置く彼らなりの、生き抜く意義を表現したかった」と思いを語った。 大阪・西成区で詐欺グループの受け子のリーダー役を務める姉の橋岡煉梨[ネリ](安藤サクラ)と弟の矢代穣[ジョー](山田涼介)が、億を超える大金を
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川崎さん(沼津出身)木彫り展開幕 駿府博物館 アスパラや板チョコ、本物そっくり
沼津市出身の木彫り作家川崎誠二さんの創作を一堂に集めた「川崎誠二のちいさな木彫り展」(駿府博物館、静岡新聞社・静岡放送主催)が15日、静岡市駿河区の同館で開幕した。9月3日まで。 創作を始めてから9年間の作品約300点が並ぶ。最小7ミリの柴犬など生き物をかわいらしく装飾した作品や、アスパラガス、板チョコレートなど実物大の形状や着色で本物そっくりに仕上げた作品がテーマごとに展示され、来場者の目を引いていた。 初日はギャラリートークを行い、川崎さんが創作への思いを語った。その後、参加者と館内を巡り、創作を始めるきっかけとなった「トースト」などの作品について、制作の裏話を紹介した。参加者は「か
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沼津出身川崎さん 動物など木彫り300点展示 15日から静岡の駿府博物館
駿府博物館(静岡市駿河区)で15日、「川崎誠二のちいさな木彫り展」(同館、静岡新聞社・静岡放送主催)が始まる。開幕を間近に控えた13日、関係者が同館で展示作業を行った。 川崎さんは沼津市出身の木彫り作家で、自作を一堂に集めた個展は初。トーストやピーマンなどをモデルに形状と着色の工夫で本物そっくりに仕上げた作品、愛らしい見た目が印象的な生き物をかたどった作品など約300点を出品した。 食べ物や恐竜、海辺の動物といったテーマ別に、来場者の目線を意識しながら一つ一つ丁寧に並べた。作品原画や創作風景のパネル写真も展示した。川崎さんは「作品それぞれに物語があり表情がある。世界観を楽しんでほしい」と