PFAS汚染 広く関心を 京大・原田准教授が書籍

 静岡市清水区の化学工場周辺の地下水から高濃度で検出されるなど静岡県内でも広がりを見せる「PFAS(有機フッ素化合物)汚染」。東京や沖縄などの市民団体と連帯して血液検査などを行い、その実態を明らかにしようとしているのが京都大大学院医学研究科の原田浩二准教授だ。PFASについてより広く関心を持ってもらおうと、合同出版から編著書「これでわかるPFAS汚染~暮らしに侵入した『永遠の化学物質』」=写真=を出版した。

原田浩二京都大准教授が編著者の「これでわかるPFAS汚染~暮らしに侵入した『永遠の化学物質』」
原田浩二京都大准教授が編著者の「これでわかるPFAS汚染~暮らしに侵入した『永遠の化学物質』」

 PFASは少なくとも約4700種類以上ある。欧米では全廃に向かう動きがあるなか、日本で規制が行われているのはPFOAなど数種類だけ。その「汚染地域」は点のように見つかり、「今後も新たな汚染地域が見つかる。PFAS問題は始まったばかり」と原田准教授は記す。
 過去の公害と異なるのは、汚染源が多岐にわたるうえ、地下水を通じて全く別地域から検出されることもあり、因果関係の特定がより困難な点。それだけに実態把握のため多くの市民との連帯は不可欠だ。編著書では「PFASとは何か」という基本をはじめ、全国の市民団体から寄せられたリポートも掲載している。
 A5判・並製、112ページ、1430円。
 (清水支局・坂本昌信)

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