記者コラム「清流」 他人ごとに聞こえる

 「どこか人ごとに聞こえるんだよな」。自民党の政治資金パーティーを巡る事件で、安倍派の塩谷立座長が1月から地元浜松市で支援組織役員への報告を重ねている。非公開の会合後に参加者に話を聞くと、毎回こんな感想が漏れる。
 塩谷氏の同市での記者会見を取材し、同じ印象を抱いた。自身にとって収支報告書への不記載は、知らないところで続いていた「慣習」だという。長年見過ごしていたことを反省点に挙げる一方、責任の所在を問われると、「議員それぞれに責任があるんじゃないですか」と淡々と答えた。
 地元支援組織の役員らは塩谷氏が口を閉ざしていた間、不満を抱く党員たちの矢面に立ってきた。「自ら有権者の声を受け止めてほしい」と願っている。せめて気持ちの伝わる言葉と姿勢で説明をしてほしい。
(浜松総局・宮坂武司)

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