避難所の物資残量、要請発送を一元管理 浜松市がシステムの実証実験 能登地震教訓に改善策検討

 浜松市は5日、災害時に各避難所の物資残量や要請発送の状況を一元管理できるシステムの実証実験を中央区の旧北小体育館で行った。能登半島地震では発災直後、各避難所の状況が行政に伝わらず、物資輸送に時間を要した。宮城県のプライムバリュー社のシステム「B―order」を使い、市や関連企業の約20人がデジタル化による物資管理の改善策を検討した。

物資につけたQRコードを端末で読み込む参加者=浜松市中央区の旧北小
物資につけたQRコードを端末で読み込む参加者=浜松市中央区の旧北小


 B―orderはスマホやタブレット端末で市内全体の物資の状況を確認できるシステム。備蓄物資1箱ごとにQRコードを記したシールを張り、端末で読み込んで登録する。移動させたり使い切ったりした際、誰かが端末で登録内容を更新すれば、どこに何がどれくらい残っているかリアルタイムで共有できる。
 実験は避難所の体育館と市役所、広域防災倉庫、物資供給に協力する杏林堂薬局を通信で結び、米や水を倉庫から移動させたり、チャット機能で発送を要請したりと、想定されるタイムラインに沿って作業を試行した。市危機管理課の担当者は「能登でも避難所への物資輸送は時間との勝負だった。誰でも使えて状況が一括管理できるシステムは有効」と話した。
 (浜松総局・宮坂武司)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞