記者コラム「清流」 子の「つぶやきことば」

 静岡なかはら幼稚園(静岡市駿河区)は50年もの間、園児が生活の中で発する「つぶやきことば」を保護者と一緒に“採集”している。普段は家庭や園でノートに書き留め、年1回、職員が文集を編集する。
 「あぁ もう くたびれちゃった」(3歳11カ月、夕食を食べながら)、「ねるってまほうだね」(4歳9カ月、朝起きたら傷が痛くなくなっていて)―。文集には言葉とその時の状況、年齢が記録され、子ども自身や家族にとって宝物になっているに違いない。
 「正直、書き留めるのは結構大変」と保護者の一人は言う。だからこそ「独自にやろうと思っても、きっと続かないので、園に感謝している」そうだ。私自身も娘のつぶやきをメモしていた時期があったが、すぐ挫折した。一緒に取り組んでくれる存在は心強い。
 (生活報道部・大滝麻衣)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞