不登校の児童生徒 ICTで孤立防げ 環境整備向け予算計上 浜松市

 浜松市は9日発表の2024年度当初予算案に、情報通信技術(ICT)を活用して、不登校の児童生徒たちの孤立を防ぐ不登校デジタル支援事業費400万円を盛り込んだ。動画配信やビデオ会議システムなどを通じて、校外の公的支援施設やフリースクールも利用しない「自宅にとどまる子供」をサポートする。全国的にも珍しい試みという。

 7月をめどに不登校の児童生徒向けの専用ホームページを開設する。不登校の児童生徒が通う校外の公的支援施設「校外まなびの教室」を利用する子供たちが、教室紹介などの動画を作成し、自宅にとどまる子供らにアクセス権を与え、いつでも視聴できるようにする。
 市内10カ所の同教室の複数箇所をオンラインでつないだ交流行事も開き、自宅からでもビデオ会議システムで参加できるようにする。端末は自宅のスマートフォンやパソコンのほか、GIGAスクール構想で配布した学習用デジタル端末が使えるかも検討する。
 同市教育支援課によると市内でも不登校の児童、生徒は増加傾向にあり、22年度は2210人と17年度からほぼ倍増した。このうち数百人が自宅にとどまっているとみられるという。
 (浜松総局・松浦直希)

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