浜松市予算案 新興企業支援を加速 ベンチャーデット枠新設 全国初

 浜松市は2024年度、市認定金融機関のスタートアップ(新興企業)向け融資「ベンチャーデット」から企業が資金調達した場合、同額を交付する「ファンドサポート事業」を始める。民間金融機関の資金供給と協調して事業資金を交付するのは全国自治体で初めて。
 市は19年度から認定ベンチャーキャピタル(VC)の出資に協調してスタートアップに資金を交付し、投資効果倍増を図るサポート事業を続けている。新年度当初予算案はVC向けの既存枠を含めた事業費2億8400万円を計上した。
 ベンチャーデットは新株予約権を金融機関に付与することで、担保となる資産がない企業でも低金利融資を受けられる商品。VC投資と比べて出資者の経営権への影響を抑えられる利点から起業家のニーズが高まり、各金融機関がスタートアップの成長を支える商品として相次いで創設している。市は資金調達方法の多様化に対応するため、新たな枠の創設を決めた。
 当初予算案はこのほか、市認定VCの情報網を生かして市内企業とスタートアップの協業を生む地域連携促進事業1千万円を盛り込んだ。起業を志す市の学生コミュニティー「ドゥアー・トライブ」にICT技能向上プログラムを追加するなど人材育成も強化する。
 (浜松総局・宮坂武司)

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