上土団地 建て替え計画見直し 静岡市方針 PFI取りやめ

 静岡市の斎藤君男建築部長は14日の市議会都市建設委員会で、市営住宅上土団地(葵区東千代田)の建て替えで予定していたPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式による設計・施工を取りやめ、既存の9棟(234戸)を再整備するとした基本計画も見直す方針を明らかにした。繁田和三氏(自民党市議団)への答弁。

 市住宅政策課によると、全部で18号棟ある上土団地のうち、1~9号棟は建設から50年以上が経過し、市は2022年3月、PFI方式で集会所や約6千平方メートルの広場とともに再整備する基本計画を策定した。総事業費は約62億円で、市の負担額は31億円程度を見込む。
 斎藤部長は、難波喬司市長のもとで民間資産を積極的に活用するよう市のアセットマネジメント基本方針を見直したため、公営住宅整備事業についても民間賃貸住宅の空き部屋の活用や、公営住宅全体の供給戸数を踏まえた需給バランスを整理した上で、建て替え計画を検討すると説明した。
 市は、京都市の建築コンサルタント業者と22~24年度の3年間の予定で結んでいる上土団地建て替えに関するPFIアドバイザリー業務委託契約を23年度分で打ち切り、24年度分の債務負担行為約1600万円を廃止する内容を盛り込んだ23年度一般会計補正予算案を開会中の市議会2月定例会に提出した。
 24年度一般会計当初予算案には上土団地建て替えの基本計画の見直しと基本設計に関する経費を計上する方針。
 市によると、上土団地1~9号棟の入居率は21年4月時点で66%。
 (政治部・尾原崇也)

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