南アルプスエコパーク登録10年 誘客や保全強化 静岡市24年度予算案 

 静岡市は2024年6月の南アルプスユネスコエコパーク登録10年に合わせて南アルプスへの誘客や保全の取り組みを強化する。24年度一般会計当初予算案に関連経費5600万円を計上した。
 リニア中央新幹線トンネル工事の工事車両用通行ルートとしてJR東海が同市葵区井川地区に建設中の県道トンネルは、26年の開通を予定する。開通後は交通アクセスが向上し、南アルプス登山者の増加が見込まれることから、市は24年度から老朽化した山小屋3カ所の改修に着手し登山者の安全確保を図る。
 エコパーク登録10年を記念した行事を24年6月から12月にかけて井川地区や静岡市中心街で開催するほか、南アルプスで企業や小学生親子を対象にした自然体験会を企画し、環境保全に向けた機運を高める。
 市によると、南アルプス観光の入り口に位置する井川地区への入り込み客数は22年度に10万5684人で、新型コロナウイルス感染症拡大前の19年度の15万5457人から大幅に減少した。
 エコパークを構成する静岡、山梨、長野3県の10市町村などで構成する「南アルプス自然環境保全活用連携協議会」は9月、エコパーク登録更新に向けた定期報告書を、文部科学省を通じて国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する。

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