輪島の母校へ FDA若手パイロットから恩返し 復興願い支援フライト、物資とエール届ける
「育ててもらった母校を励ましたい」―。静岡市のフジドリームエアラインズ(FDA)の若手パイロットが16日、能登半島地震で被災した石川県輪島市の母校、日本航空大学校石川を訪れ、食料など約800キロの支援物資を届けた。FDAなどグループに同校卒業生が数十人いることから鈴与が静岡空港発のビジネスジェットのチャーター機を手配した。
代表として訪れたのはFDAの副操縦士で同校を2015年に卒業した塚田康太さん(28)=長崎県出身=。今回は操縦せず、乗員として参加した。
「砂漠に来たような感覚」。母校は断水が続き、敷地内は液状化や地割れも顕著。教室は自衛隊の前線基地となり、廊下は薄暗く静まりかえる。中村博昭副学長(48)は「下水は一切流せず、不自由な生活が今も続く」と打ち明ける。
被災時、同校は隣接する能登空港にいた航空会社の客に備蓄品を配布し、ほとんどなくなった。塚田さんにとっても思い出深い能登空港は先月下旬に旅客便を再開したばかりだ。
上空からスマートフォンで被災地を撮影した塚田さん。沿岸部などの民家の屋根には青いシートが目立った。新潟から福岡に向かう便など能登空港の近くをこれからも飛ぶという。塚田さんは「眼下を見るたび復興を心から願う」と話した。
(清水支局・坂本昌信)