20キロ競歩の池田(浜松日体高出)パリ五輪内定 「一人旅」の挑戦結実

 陸上のパリ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権20キロ競歩は18日、神戸市の六甲アイランド甲南大周辺コースで行われ、男子は池田向希(25)=旭化成、浜松日体高出=が日本陸連の定める派遣設定記録(1時間19分30秒)を突破する世界歴代3位の1時間16分51秒で優勝し、代表に内定した。

男子20キロ競歩 1時間16分51秒で優勝してガッツポーズする池田向希=神戸市六甲アイランド甲南大周辺コース(写真部・堀池和朗)
男子20キロ競歩 1時間16分51秒で優勝してガッツポーズする池田向希=神戸市六甲アイランド甲南大周辺コース(写真部・堀池和朗)
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
男子20キロ競歩 1時間16分51秒で優勝してガッツポーズする池田向希=神戸市六甲アイランド甲南大周辺コース(写真部・堀池和朗)
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希
1時間16分51秒で優勝し、パリ五輪代表に内定した池田向希

 銀メダルに輝いた東京五輪に続く2大会連続2度目の出場。2022年世界選手権でも銀メダルを手にしている。昨夏の世界選手権は15位に終わったが、今大会は7キロ手前で先頭集団を抜け出し、鈴木雄介(富士通)が持つ世界記録(1時間16分36秒)を上回るペースで後続を引き離した。
 35キロの世界選手権で22年2位、23年3位に入り、20キロに転向した川野将虎(旭化成、御殿場南高出)は4位に終わり、個人種目でのパリ五輪出場は厳しくなった。
 (運動部・山本一真)  「どんなことにも対応できるのが強み」 あえて険しい「一人旅」を選んだ25歳の挑戦が一つ実を結んだ。18日の陸上日本選手権20キロ競歩(兵庫県神戸市)。東京五輪銀メダリストの池田向希(旭化成、浜松日体高出)が優勝し、パリ五輪代表に内定した。専属コーチを置かず、1人で目指してきた2度目の五輪。15位に惨敗した昨夏の世界選手権から半年で立て直し、「パリのスタートラインに立てた」と充実感をにじませた。
 銀メダルに輝いた2022年世界選手権後、池田は拠点を置いていた東洋大を離れ、単独で練習を始めた。東京五輪に続く世界2位は十分な結果だが、「銀メダルにとどまった。その上を目指すには何かが必要」と変化を求めた。23年日本選手権は完璧な歩型で完勝。新たな取り組みは順調かに見えた。
 23年の世界選手権。池田は序盤から飛び出した。日本人最上位のメダリストは事実上パリ代表に決まる。誰もがこのまま押し切れると確信する中、15キロ過ぎから大失速した。予期せぬ結果に、単身での活動を「大丈夫か」と危惧する声も耳に入ったという。だが、ぶれることはなかった。
 「一人で考える範囲が広がったことで、どんなことにも対応できるバリエーションを増やせるのが強み」。この冬はあえてスピード練習を封印した。昨夏の敗因は22年冬の故障と体調不良。「最大限の力を出したくなるのを我慢し、疲労の蓄積を防いだ」。はやる気持ちを抑え、本番にピークを合わせた。レース運びでも、これまで山西利和(28)=愛知製鋼、静岡西豊田小出=の仕掛けに後手に回っていたが、この日は序盤で動いて勝負を決める。日ごろから培った柔軟性が大一番でものをいった。
 2度目の五輪は満を持して金メダルを狙う。「東京五輪は出場が最優先だった。今回は勝負する」。花の都で挑戦の真価を示す。
 いけだ・こうき 1998年5月3日生まれ。浜松市出身。浜松日体高で競歩を始め、3年夏の全国高校総体で5位入賞。2018年世界競歩チーム選手権で優勝し、21年東京五輪、22年世界選手権では銀メダルを獲得した。旭化成。25歳。
 

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