方広寺の2仏画 浜松市文化財に 保護審、指定を答申
浜松市文化財保護審議会(会長・片桐弥生静岡文化芸術大教授)は20日、浜名区の方広寺が所蔵する「絹本著色二祖慧可像(けんぽんちゃくしょくにそえかぞう)」と「紙本著色無文元選像(しほんちゃくしょくむもんげんせんぞう) 文明十二年友勝(ぶんめいじゅうにねんゆうしょう)の賛(さん)がある」の2点を市有形文化財(絵画)に指定するよう市教育委員会に答申した。指定されれば、市指定文化財は328件、有形文化財(絵画)としては25件になる。
文化財課によると、二祖慧可像は縦152・8センチ、横83センチ。14世紀に中国・元で制作された。修行中の人を表す「羅漢」を描いたが、日本に渡って達磨(だるま)大師の弟子の「慧可」の仏画として受容された。こうした受け入れられ方が示される貴重な作例だという。
もう一方の作品は縦85・8センチ、横38・9センチ。無文元選(1323~1390年)は方広寺を開山した。絵に添える文言の「賛」から1480年の制作と分かる。優れた僧の肖像画が室町時代にまでさかのぼれるのもまれだという。
市教委は3月の定例会で文化財指定を決める。仏画2点の公開は4月以降という。
(浜松総局・松浦直希)