浜松ホトアグリ、新農場で障害者雇用拡大 働き方工夫 生産強化

 浜松ホトニクスの特例子会社でベビーリーフの栽培に取り組む浜松ホトアグリ(浜松市浜名区)が新農場を同区に設け、障害者雇用の拡大と生産強化に取り組んでいる。設備や働き方を工夫し、知的のほか、身体や精神に障害がある人も働けるよう環境を整えた。

新農場で作業に取り組む浜松ホトアグリの山田万祐子社長(右から2人目)ら=浜松市浜名区
新農場で作業に取り組む浜松ホトアグリの山田万祐子社長(右から2人目)ら=浜松市浜名区

 新農場の広さは約1200平方メートル。昨秋に稼働した。ビニールハウスでレタスやシュンギク、シソなどの幼葉を高床式の作業台を使って無農薬栽培する。
 通路は段差がなく、作業台の間隔を空けて車いすでも作業ができるようにした。集団行動が苦手な人が1人で休憩時間を過ごせるよう事務所に個室も備えた。
 栽培は浜松ホトニクスの中央研究所が開発したタブレット端末で管理し、発芽状況などをカメラで撮影して把握する。こうした作業を毎日同じ時間に行って変化を減らしているほか、従業員には心や体の疲れを数字で示してもらい、翌日の勤務調整を行っている。
 これまで約1500平方メートルの2棟の研究農場で月に300~500キロを栽培し、日本料理店や菓子製造会社、スーパーなどに卸していたが生育が鈍る真夏や真冬に生産が追い付かない課題があった。新農場で約4割の増産を見込むほか、食用の花の栽培も始めた。
 従業員20人のうち、現在、8人の障害者を雇用している。山田万祐子社長は「出荷を増やしながら障害のある人の活躍の場を広げたい」と強調した。
 (浜松総局・白本俊樹)

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