甘酒で占う今年の豊凶 浜松・水窪で「酒の口開け」 1300年の歴史「西浦の田楽」前に

 浜松市天竜区水窪町の西浦地区で伝わる国指定重要無形民俗文化財「西浦の田楽」の別当(祭主)や能衆らが25日夜、今年の豊凶を占う関連儀式「酒の口開け」を別当宅で実施した。

「能衆の間」で甘酒を飲む参加者=浜松市天竜区水窪町
「能衆の間」で甘酒を飲む参加者=浜松市天竜区水窪町

 20日から別当宅で甘酒を仕込んだ。別当の高木八郎さん(49)と能衆の中でも酒造りの役割を担う「公文衆」が出席し、今年の甘酒の出来栄えを確認した。「能衆の間」と呼ばれる部屋で甘酒を味わった。
 公文衆の森口哲夫さん(79)は「甘くておいしい。今年は豊作の年になるかもしれない」と話した。
 田楽の舞は27日夜から28日朝にかけ、4年ぶりに有観客で披露される。西浦地区の観音堂の祭礼で、能衆が舞を奉納する。1年の無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願う伝統行事で約1300年の歴史があると言い伝えられている。能衆は世襲制で引き継がれている。

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