静岡人インタビュー「この人」 盆栽カフェをオープンした園芸店代表 深沢和典さん(静岡市清水区)

 昨年9月、静岡市駿河区に盆栽カフェ「唐花」をオープンさせた「深沢種苗園芸」の代表。盆栽を知らない世代に見てほしいと、雑貨店などでの販売会やワークショップ開催にも力を入れている。苔(こけ)を寄せ植えする「苔テラリウム」の普及も図る。清水区出身、42歳。

深沢和景さん
深沢和景さん

 ―カフェ開店の狙いは。
 「園芸店を祖父から引き継いで以降、盆栽を扱うようになったが、高価で素人では手が出しにくいものというイメージが想像以上に強い。実物を見て理屈抜きに気に入ってもらえたら。ここ数年、特に若い人の関心が高いので、気軽に立ち寄ることができる場を作りたかった」
 ―手に取ってもらう工夫は。
 「清水区に窯元のある清梅焼(きようめやき)の盆栽鉢を自作している。盆栽は水やりのタイミングに気を使うが、土の特性から鉢に吸水性があるため、受け皿に水を張っておくだけでいい。通気性もよいので根腐れの不安も軽減される。購入1カ月以内に枯れたら同等の木に植え替えるサービスもしている」
 ―盆栽の魅力は。
 「盆栽は、自然の樹木を鉢にミニチュアとして再現したもの。店で扱うのは、盆栽としては若く小さな樹齢10年未満のものが中心だが、樹種によって紅葉したり、実がなったり、四季折々に変化する。剪定(せんてい)や施肥にはこつもあるが、日頃の世話はそう難しくない」
 ―手応えや今後は。
 「初めて触れた若い人が『かっこいい』と声を上げてくれる。古来絶えることなく伝わってきた盆栽には、万人の心に訴える力がある。盆栽鉢の完成度を高めるため、最近は岐阜県土岐市の美濃焼の窯元『いちい窯』で作陶も学んでいる。ワークショップの充実も図りたい」
 (生活報道部・西條朋子)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞