日台友好 桜「里帰り」 昭和天皇歓迎で1923年植樹 森町・小国神社に苗木、奉告祭

 昭和天皇が皇太子として台湾を訪問した際、歓迎のため台湾市民によって植えられたカンヒザクラの苗木の植樹奉告祭が4日、森町の小国神社で開かれた。日台友好の証しの「里帰り」を祝い、さらなる交流の発展を願った。

カンヒザクラの苗木の周りで執り行われた清祓式=森町の小国神社
カンヒザクラの苗木の周りで執り行われた清祓式=森町の小国神社

 昭和天皇は1923年に台湾を訪問した。植樹後100年の節目と令和の幕開けを祝って日台の団体が協力し、2021年から日本全国へ苗木の移植を進めている。
 奉告祭には台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(駐日大使に相当)、在日台湾人団体でつくる全日本台湾連合会の趙中正会長、森町の太田康雄町長らが出席した。神前に苗木の目録を奉納して祝詞を上げたほか、豊栄舞をささげた。
 桜の苗木は境内に植えられ、記念碑が建てられた。苗木の周りで清祓(きよはらい)式を執り行い、苗木をおはらいした後、謝代表らが優しく土をかぶせた。
 森町は台湾で茶業発展の基礎をつくった藤江勝太郎(1865~1943年)や、台湾製糖を設立した鈴木藤三郎(1855~1913年)を輩出するなど、台湾との縁が深い。謝代表は「森町から日本と台湾の友好関係がさらに深まり、古くからの絆が次世代につながることを期待したい」と話した。
 (袋井支局・北井寛人)

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