磐田の若い力 指導者に 中学部活動の地域移行へ 企業経営者らのNPO講習会

 磐田市内の若手企業経営者らでつくるNPO法人ミライサポートプロジェクトいわた(松野裕貴理事長)は、地域移行する中学部活動の指導者育成に乗り出した。心身の発達途上にある中学生に対する指導や接し方を学ぶ講習会を企画。地域の若い人材を掘り起こし、学校や地域クラブとのマッチングを目指す。

地域移行する中学部活動の指導者育成に向けた講習会=磐田市の中泉交流センター
地域移行する中学部活動の指導者育成に向けた講習会=磐田市の中泉交流センター


 教員の働き方改革や少子化による部活数の減少を背景に、全国で中学部活動の外部指導者受け入れや地域クラブ化が進められているが、「地方都市ほど指導を担う人材確保が困難」(松野理事長)なのが現状。同NPOは民間でも指導者を育成・派遣し、中学生が希望する活動に取り組める環境づくりに貢献しようと立ち上がった。
 2月に中泉交流センターで初めて開催した講習会には、スポーツ団体の関係者や大学生ら約30人が参加した。全3日間の日程で学識者やトレーナー、元プロスポーツ選手らによる6講座を行い、地域部活動の意義や指導の基礎などを学んだほか、中学生の発達特性やハラスメントへの注意点にも理解を深めた。
 講習会は2024年度も3回ほど開く予定。指導者を補佐し、中学生の心身をケアする人材も確保するため、競技や指導の未経験者も対象にしていく。市内中学10校にそれぞれ担当者を設け、各校のニーズをくみ取る関係づくりも進める。
 松野理事長は「経験がなくても子どものためになりたいとの意欲がある人はいる。行政や学校に任せきりにせず、地域として指導者になるための学びの環境を用意したい」と話した。
 (磐田支局・八木敬介)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞