「伸ばした髪 役立てて」 芹沢君(大仁小) 3年かけ医療用寄付

 病気の治療などで髪に悩みを持つ子どもたちへの「ヘアドネーション」(髪の寄付)のため、伊豆の国市の大仁小6年の芹沢錬君(12)が、3年間伸ばした髪を切った。医療用ウィッグ(かつら)などとして役立ててもらう。「誰かの役に立ってほしいので、また伸ばしたい」と話している。

美容院で髪を整えてもらう芹沢君=沼津市内
美容院で髪を整えてもらう芹沢君=沼津市内
美容院で髪を整えてもらう芹沢君=沼津市内
美容院で髪を整えてもらう芹沢君=沼津市内
切った髪を手にする芹沢錬君=沼津市内
切った髪を手にする芹沢錬君=沼津市内
美容院で髪を整えてもらう芹沢君=沼津市内
美容院で髪を整えてもらう芹沢君=沼津市内
切った髪を手にする芹沢錬君=沼津市内

 2021年春、テレビでヘアドネーションを見たことで興味を持ち、「自分にもできるかな」と思い髪の毛を伸ばし始めた。トイレに入ったら女性用トイレを指さされながら「あっちだよ」と言われたり、温泉では浴場に入る前に止められたりしたという。母親の綾子さん(44)は「伸ばし始める前に『大変だよ』とも伝えた。嫌な思いもたくさんしたと思う」と振り返った。
 錬君はきれいな髪の毛を保つため、風呂上がりにはトリートメントを付けて保湿した。ドライヤーで乾かしきるのには30分ほどかかり、夏場は運動すると蒸れたり汗をかいたりして大変だったという。
 伸ばした髪の毛は、長さ約40センチになり、腰まである。ヘアドネーションの必要最低限とされる31センチを超え、卒業に合わせて切ることを決めた。
 13日に沼津市内の美容院を訪れ、3年ぶりにカットした。緊張しながらも、カットが終わると「違和感がある」と笑い、「すがすがしくてスッキリした」と喜んだ。
 錬君は「たった一人のためだけど、やって良かった」とはにかんだ。綾子さんは「家族で応援していた。ここまで頑張ってくれて良かった」と話した。
 髪は医療用ウィッグを子どもたちに無償提供している大阪市のNPO法人「JHD&C(ジャーダック)」に送る。
 (大仁支局・小西龍也)

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