記者コラム「清流」 旅先で考えたこと

 休暇を使い九州を旅行した。観光地はもとより交通アクセスの悪い温泉街まで外国人が多くてびっくり。熊本県で台湾積体電路製造(TSMC)の工場が開所し、九州は今、最も熱い地域の一つ。好況を一過性にしまいと、あれこれ施策に知恵を絞る自治体の姿が目に浮かんだ。
 翻って本県はどうかも考えた。観光に限らず、産業停滞、少子化、若者流出-。経済のてこ入れに向けて課題が横たわる。「理想郷」「文化の首都」「ポスト東京」と、県が毎年の予算発表のたびに掲げる聞こえのいいフレーズは実を結び、県民は潤っただろうか。
 本紙が行った県内企業調査では県政に対する厳しい評価が相次いだ。中には川勝平太知事の政治力や資質を問う記述が複数あり、経営者らのリアルな胸の内を見た気がした。
(経済部・河村英之)

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