記者コラム「清流」 当事者の声

 「自治会や自主防災会の役員って、男性ばかりでしょう」。地域防災の講演会の取材中、講師にそう言われて「確かに」とうなずいてしまった。災害時は女性、障害者、外国人など多様な人々が被災する。避難所運営に、そうした当事者の声を反映できているのか、という内容だった。
 避難所といえば、学校の体育館などに大勢の地域住民が集まる形が多い。女性の性被害や障害者の避難については、大きな災害が起きるたびに問題になっている。日ごろから女性や障害者も意見を出し合って備えることで、対策を図ることはできないだろうか。
 能登半島地震の被災地に、県内から多くの行政職員らが派遣された。その経験を地域に還元し、生かす必要がある。記者も当事者意識を持って考え続けていきたい。
(東部総局・日比野都麦)

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