ワサビ栽培「畳石式」開発 平井熊太郎の功績後世へ 伊豆「わさびの郷」で胸像除幕

 伊豆市の中伊豆山葵(わさび)組合(塩谷美博組合長)は31日、ワサビの伝統的な栽培方式「畳石式」を開発した平井熊太郎の胸像の除幕式を、同市原保に新設する「わさびの郷 イズワサビジターセンター」で開いた。4月12日のオープンに合わせ、施設内に設置する。

除幕される平井熊太郎の胸像=伊豆市原保の「わさびの郷 イズワサビジターセンター」
除幕される平井熊太郎の胸像=伊豆市原保の「わさびの郷 イズワサビジターセンター」


 畳石式は湧水を活用し、上流から下流への水流によってワサビ沢に水を巡らせる栽培方法で、大小さまざまな石や砂利を大きさごとに積み上げて層を作る。平井は上大見村原保(現在の同市原保)の生まれで、ワサビ沢の工事を請け負う石積み職人だった。畳石式の開発により、明治時代にまん延していたワサビ沢の腐敗病も徐々に収まった。畳石式は周辺にも広まり、現在の発展の礎となった。
 除幕式には生産者やJAふじ伊豆職員、胸像を手がけた彫刻家の堤直美さんらが出席した。塩谷組合長は「平井の思いを胸に作業に励みたい」と意気込み、堤さんは「平井の功績が後世に伝わってほしい」と話した。
 (大仁支局・小西龍也)

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