記者コラム「清流」 県民生活支える人材

 「人手不足」と「人材不足」は字面こそ似ているが、意味は大きく異なる。人手不足は日々の業務を回していく労働力を確保できない状況であり、人材不足は仕事に必要な知識や技術を持っている人が足りていないことを意味する。
 公務員の定年退職年齢の段階的な引き上げに伴い、県では3月末時点で60歳の幹部職員108人が役職定年を迎えた。うち7割は4月から班長級として職場に残る。職員に指示する立場だった人が実動部隊に戻ってくるのだから、本人も“元部下”も若干のやりにくさを感じるかもしれない。
 だが、幹部職員が蓄積してきた経験や知識は財産だ。県民生活を支える組織が人材不足に陥らないためにも、役職定年者には後進の指導を含めて、引き続き活躍してほしい。
(政治部・豊竹喬)

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