記者コラム「清流」 パワハラ撲滅は遠い

 長時間の叱責(しっせき)や職員の人格、能力を否定する言葉の暴力―。静岡市が危機管理総室(現危機管理局)幹部の言動をパワハラ行為と認定し、減給の懲戒処分を下した。
 該当部分とされる録音データを聞き、被害者を取材したが、内容は聞くに堪えないものばかりだった。言われた方は明らかに萎縮し、長期間に及べば心身を壊しうると誰でも想像できる。報道が出るまで有効な手だてが打たれなかった組織対応にも怒りを覚える。
 難波喬司市長は、パワハラ認定後も同室の仕事ぶりを評価する姿勢を変えていない。パワハラと密接に結びついた状態で行われた仕事を評価していいのか。一連の行為がなければ、もっといい仕事ができたと考えるべきだ。トップがこの認識では組織からパワハラが撲滅されるとは思えない。
(政治部・尾原崇也)

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