浜松にレーザー研究拠点 核融合発電へ 大阪のベンチャー

 レーザー核融合発電の実用化を目指す大阪大発ベンチャーのエクスフュージョン(大阪府)は4日、浜松市中央区のベンチャー・中小企業向け支援施設「浜松イノベーションキューブ」内に研究拠点を開設した。レーザーの制御や照射システムの実験装置を備え、核融合発電の実現に必要な基盤技術の研究を進める。

実験装置を紹介するエクスフュージョンの担当者=4日、浜松市中央区の浜松イノベーションキューブ
実験装置を紹介するエクスフュージョンの担当者=4日、浜松市中央区の浜松イノベーションキューブ

 同社は、直径約3ミリの燃料を炉に連続で打ち出しながら正確にレーザーを当て、繰り返し核融合反応を起こす方法で商用炉の実現を目指している。
 計約200平方メートルの研究拠点は約15人が携わり、レーザーの制御や燃料を供給する技術などの精度向上を目指す。模擬燃料を使うため核融合反応はしない。得た成果はレーザー加工などの他分野にも応用する。
 2026年までに技術確立した後、高出力のレーザーを使った実証に取り組み、30年に核融合で得たエネルギーで発電の実証を行う行程を描く。松尾一輝社長は「実用化には連続かつ高精度でレーザーを燃料に当て続けることが必要。基盤技術の開発を進めたい」と話した。
 21年7月の設立で、これまでに19億3千万円を資金調達した。光関連産業が集積し、ベンチャー企業の支援が手厚いことから浜松市内に開発拠点を置いた。同社の最高技術責任者(CTO)を光産業創成大学院大(同市中央区)の森芳孝准教授が務めている。
 (浜松総局・白本俊樹)

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