「細見美術館展」開幕 若冲の性格、見どころ解説 静岡市美術館で細見氏講演

 日本美術史を総覧するコレクションとして国内外で高く評価される細見美術館(京都市)の収蔵品を集めた「京都 細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術」(静岡市、静岡新聞社・静岡放送など主催、セキスイハイム東海特別協賛)が13日、同市葵区の市美術館で開幕した。初日は、細見美術館の細見良行館長が記念講演を行った。

「細見美術館展」の出品作を紹介する細見良行館長=静岡市美術館
「細見美術館展」の出品作を紹介する細見良行館長=静岡市美術館
「細見美術館展」開幕を記念した講演会。細見良行館長が伊藤若冲や琳派(りんぱ)の美術家らについて解説した=静岡市美術館
「細見美術館展」開幕を記念した講演会。細見良行館長が伊藤若冲や琳派(りんぱ)の美術家らについて解説した=静岡市美術館
「細見美術館展」の出品作を紹介する細見良行館長=静岡市美術館
「細見美術館展」開幕を記念した講演会。細見良行館長が伊藤若冲や琳派(りんぱ)の美術家らについて解説した=静岡市美術館

 細見館長は同コレクションの約80年の歩みを振り返り、祖父にあたる昭和の実業家細見良から自身までの3代が収集した金工品、茶釜、仏教・神道美術、江戸期の絵画などを一つ一つ紹介した。古代から近代まで各時代の作品がまんべんなく集まっていることに触れ「よく、美術の教科書的なコレクションと言われる」と説明した。
 今回の展覧会に19件を出品した江戸時代の絵師伊藤若冲にも言及し、2000年に京都国立博物館が開いた没後200年展が国内のブームの火付け役になったと指摘した。「雪中雄鶏図」「糸瓜群虫図」など1960年代以降に集めた作品の見どころを個別に示し「鶏の顔、足の細かい描写から、細部をごまかすのが嫌いな若冲の性格が読み取れる」と所感を述べた。約90人が耳を傾けた。
 展覧会の会期は5月26日まで。一部展示替えあり。問い合わせは静岡市美術館<電054(273)1515>へ。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞