静岡人インタビュー「この人」 故郷の石川県七尾市を支援する 堀田孟さん(浜松市中央区)

 能登半島地震の被害を受けた故郷の石川県七尾市を支援するため、浜松の仲間と1月に「のとななお浜松生活支援隊」を結成し、月に1~2回、現地へ物資を届けている。高校卒業後に地元を離れ、浜松市で働きながらリサイクルなどのボランティア活動を30年以上続けてきた。77歳。

堀田孟さん
堀田孟さん

 ―結成の経緯は。
 「地震が発生してすぐ地元にいる弟に連絡し、周囲の人の無事を確認したが、被害の大きさから復興まで長期化すると直感した。東日本大震災などの災害でも支援活動に取り組んできたので、経験を生かし、行政の手が届かないような人を支えようと考えた。友人で不動産業を営む村松幸彦さんが副隊長として協力してくれて、5人ほどのグループで活動を始めた」
 ―現地で活動しての感想は。
 「1月20日に初めて物資を届けた。見慣れた街並みに点々とつぶれた家があり、皆、水や食料が足りずに苦労していて、涙が出る思いだった。それでも50年ぶりくらいに再会する人ばかりで、小さい頃の呼び名で呼び合うと懐かしい思い出が湧き上がってきた。七尾は米作りなどを通じて近所の人と助け合う、共助が当たり前の土地。温かさをあらためて感じた」
 ―今後取り組みたいことは。
 「最低でも1年は通い続けたい。現地の人と顔を合わせて気持ちを伝えながら、必要な手伝いをしていきたい」
 ―静岡の人々に呼びかけたいことは。
 「能登出身で、静岡で暮らす人同士のつながりをつくり、被災地に思いを寄せながら語り合いたい。災害は人のつながりを強くする。いずれ来る静岡の災害に備えて助け合えるように、この機会に輪を広げたい」
 (宮坂武司)

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