戦争遺跡を後世に 浜松市遺族会が冊子発行

 浜松市遺族会は18日、冊子「浜松戦争遺跡 後世に残したい無言の語り部たち」を発行したと市役所で報告した。大石功会長(79)が戦争遺跡の保存や活用の必要性を中野祐介市長に伝えた。

冊子「浜松戦争遺跡 後世に残したい無言の語り部たち」を浜松市の中野市長(左)に紹介する市遺族会の大石会長=同市役所
冊子「浜松戦争遺跡 後世に残したい無言の語り部たち」を浜松市の中野市長(左)に紹介する市遺族会の大石会長=同市役所

 冊子はA4判32ページ。市内に残る戦争の被害を受けた場所、石碑などを写真や地図付きで紹介している。1945年6月の浜松大空襲で焼け残ったプラタナスの木はJR浜松駅付近と浜松城公園(中央区)、市緑化推進センター(同区)に移植され、「市民の木」として親しまれていると解説。航空自衛隊浜松基地(同区)にある浜松陸軍飛行学校「陸軍爆撃隊発祥之地」碑については、建立に同市出身でホンダ創業者の本田宗一郎が関わっていると説明した。2千部を発行し、同区の浜松復興記念館で販売している。税込み500円。
 大石会長は「冊子には市民でも知らなかったことが書いてある」と紹介した。中野市長は「丹念に遺跡を巡ったことがうかがえる。平和の尊さにあらためて気付かされる」と評価した。
 (浜松総局・松浦直希)

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