自民県連、結束強調も足並みに乱れ 支部代表者会議 党本部推薦不透明【静岡県知事選】

 自民党静岡県連は25日、知事選(5月9日告示、26日投開票)に向けた支部代表者会議を静岡市葵区で開き、推薦を決めた元副知事の大村慎一氏(60)を招いて選挙態勢を確認した。県連幹部は結束を強調したが、前浜松市長の鈴木康友氏(66)を支援する支部への批判の声が上がり、足並みの乱れが露呈した。党本部に上申した大村氏の推薦の扱いも宙に浮いたままだ。
 「自民党がこんな時だからこそ一致団結しなければならないのに、単独行動は許せない」
 会議終盤、浜松市浜北支部の関係者が声を張り上げた。背景にあるのは、県連決定とは異なる方針を打ち出した市内の支部への強い反発だ。突然の意見表明に、執行部は「あとはわれわれに任せてほしい。オール静岡で支えていく」と答えるのがやっとだった。
 会合は城内実県連会長(衆院静岡7区)の謝罪から始まった。裏金事件を巡る塩谷立氏(衆院比例東海)の離党に続き、女性問題が報じられた宮沢博行氏(同)が辞職。城内氏は「逆風を乗り越え、前に向かって進んでいく」と結束を呼びかけた。
 県連幹部は「大村氏をお披露目し、心を一つにして選挙戦を本格的にスタートできる」と成果を強調したが、ある出席者は「不祥事ばかりがクローズアップされ、候補者に申し訳ない」と言葉少なだった。
 党本部に上申した推薦の扱いも不透明だ。23日に上申書を受け取った茂木敏充幹事長は「全面的な支援」を約束したとされるが、事実上の保留状態となっている。28日投開票の衆院3補欠選挙の結果や党内情勢を見極めた上で、最終判断するとみられる。
 城内氏は「党本部推薦並みの支援ということだったので、あまり気にしていない。大村氏を支える一つのグループとしてやれることをやっていく」と話した。

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